耐久性試験とは?目的・種類・主な試験方法について

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私たちが手に取る製品の判断基準の1つが、耐久性です。長く快適に使えるか、この値段で何年使い続けられるかは購入に至る決め手となっています。

耐久性に問題があり、すぐに壊れてしまうようだと、消費者の信頼を損ねるだけでなくケガや事故などの大きなトラブルにつながる恐れがあります。そのため、製品の製造過程や完成後に耐久性試験を実施し、消費者の手元に届く製品の安全性を保証することが大切です。

この記事では耐久性試験の目的や種類、主な試験方法について解説していきます。

耐久性試験とは?概要と実施する目的

耐久性試験とは、製品や材料を対象に、想定される負荷に長時間耐えられるかを判断するための試験です。重りや振動、電圧などの負荷をかけ続けていきます。基本的には、一定の負荷をゆっくりかけていく静的試験と、想定される負荷を何度も繰り返す動的試験に分かれます。また、製品が壊れるまで実施する場合は「寿命試験」と呼ばれることもあります。

対象となる製品は膨大にあります。カバンの取っ手や肩ひもの部分や、家具などの生活用品、照明器具やモバイルバッテリーなどの電気製品など、あらゆる製品が何らかの耐久性を確かめることになります。製品ごとに求められる耐久性が異なるため、実施される試験方法もそれぞれ異なります。
耐久性試験を実施する大きな理由は、「顧客の信頼を得ること」です。

たとえば、購入したばかりのカバンがすぐに壊れてしまう場面を想像してみてください。中に入れていた荷物は散乱し、使用していた顧客は恥をかくことになります。場合によっては散乱した荷物が壊れるかもしれません。カバンを提供した企業の信頼は大きく損なわれることになります。

耐久性試験を実施することで製品の不具合を確認でき、より高い耐久性を得るためのヒントになります。優れた耐久性は製品の直接的なアピールポイントにもなり、売上やブランド価値の向上にも影響します。

顧客に長く安心して製品を使用していただくためにも、耐久性試験は欠かせない試験となっています。

耐久性試験の種類と実施内容

前述のとおり、耐久性試験は多種多様です。素材や求められる安全基準によって試験の種類は異なります。

たとえばバッグの場合、把手(取っ手)やマチ、底部等の強度が求められます。そのため以下のようなさまざまな試験が実施されます。

【鞄・バッグで実施される主な試験】
  • 耐荷重試験
  • 引張試験 (JIS L 10969)
  • 破裂強さ試験 (JIS L 1096)
  • 縫い目強度試験
  • 把手や肩ひもの取付強度試験
  • 保冷試験/保温試験 (保冷バッグ・保温バッグ)
  • 耐食性試験 (金属部分)

生地の強さ、縫い目の強さ、取り付け部分の強さなどをさまざまな試験で確かめていきます。また、バッグの試験についてはこの他にも、色落ちや色移りに関する摩擦堅ろう度試験や耐光堅ろう度試験などが実施されます。また、磁石で止めるマグネットボタンが施されている場合は金属部分の錆びにくさを確かめる耐食性試験が実施されます。キャスターがついたスーツケースの場合は走行性試験や落下強度試験なども実施されることになります。

別の例としてプラスチック製品で実施される主な試験を挙げます。プラスチックは日用品から家電、自動車部品まで幅広く活用されています。バッグは出来上がった製品ですが、プラスチックは製品にも部品にもなる素材なので、試験内容も多岐にわたります。

【プラスチック製品で実施される主な試験】
  • 引張特性 (JIS K 7161)
  • 圧縮特性 (JIS K 7181)
  • 摩耗試験 (JIS K 7218またはJIS K 7204)
  • 耐熱性試験 (JIS S 2029プラスチック製食器類)
  • 耐薬品性試験 (JIS K 7114)

この他にもまだまだ試験は存在しますが、バッグの試験と比較すると試験内容が大きく異なることがわかるはずです。また、「引張試験」はどちらも共通していますが、規格がそれぞれ異なります。

このように、実際に製品にどの試験が実施されるかは、製品の素材や形状、用途など、求められる安全基準によって異なります。製品の試験を検討されている方は検査会社に問い合わせ、必要な試験・推奨される試験を確認するようにしてください。

耐荷重試験の実施例

さて、ここからはバッグで実施される試験の中から、一般的な耐荷重試験について詳しくお伝えしていきます。

バッグの耐荷重試験は、バッグを使用する際に中身を入れて持ち運ぶ際に底が抜けたり取っ手が切れたりしないかを確認する試験です。バッグの中におもりを入れ、吊り下げたり上下動させたりすることで耐久性を確認します。

静荷重試験

バッグの中に容積の1.5倍(目安)の重量のおもりを入れ、棒に吊り下げた状態で24時間放置します。その後、破損や縫い目のほつれがないかどうかを確認します。※ただしおもりは最大20kgまで

静荷重試験

動荷重試験

バッグの中に容積の1.5倍(目安)の重量のおもりを入れ、吊り下げた状態で30回ほど上下させます。その後、破損や縫い目のほつれがないかどうかを確認します。※ただしおもりは最大20kgまで

動荷重試験

加速劣化試験なら短時間で耐久性を予測できる

製品がどのくらい使えば劣化するかを確かめたいなら、「実際に使って確かめれば良いのでは?」と思う方もいるかもしれません。ボールペンや使い捨てカイロなどであれば比較的短期間で使えなくなりますが、金属製品やゴム・樹脂製品、電子機器などは数年、数十年間持つものもあります。耐久性を調べるためだけに1年2年、10年も待ち続けるのは現実的ではありません。そのため、耐久性試験においては「加速劣化試験」が採用されることが多いです。

加速劣化試験は、通常の使用条件よりも過酷な条件に置き、試験を行うものです。たとえば、通常であれば20℃~30℃の温度で使用される製品を、60℃~100℃の高温に置いて試験をします。過酷な環境に置いた場合の劣化具合などを確認することで、通常の環境での耐久性をある程度予測できるようになります。過酷な環境を人為的に作り出さなければならないため、通常よりもコストがかかりますが、有用な試験方法と言えます。

耐久性は製品の品質を決定づける重要な要素です

顧客が安心して製品を利用し、信頼を得るためにも、耐久性試験は欠かせません。想定される使用目的やシチュエーションにあわせて、適切な試験が実施されています。
そして、耐久性試験はあくまで指標に過ぎません。試験の合否にかかわらず、良い製品はより良く、問題のある製品は改善を施し適正化を目指すことが肝心です。メーカーや各製造部門などと連携して、より良いものづくりを実現させていきましょう。

前述のとおり、各製品が求められる耐久性試験は異なります。対象となる製品や素材によっては長期間実施しなければならないこともあり、大きな手間と労力がかかります。耐久性試験を適切かつ効果的に実施されたい事業者の方や、どの試験を実施すべきか、結果を踏まえてどのように改善すべきかお悩みの方は、ぜひ検査会社にご相談ください。

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